偽名
飲食店の順番待ちで名前を書くとき。
必ず偽名にするんだ。
と言っていた友人が何人かいて。
ふと思い出した。
ひとりは、
と、書くと言っていた。
ひとりは、
高橋。
と、書くと言っていた。
たしかに、2人とも本名は珍しい苗字。
名前を呼ばれるたびに、いちいちそこに触れられるから
もう、うんざりなんだと思う。
そのことを聞いたとき、
目からうろこ。
嘘をつく発想がなかったから。
でもたしかにあれは、並んだひとの順番が来たことを告げるものだから、
ただの記号であって。
もちろん数字だってよいわけで、、、
店員さんと自分の相互で順番だとわかれば、
偽名でだめなはずが、ない。
馬鹿正直に本名を、書かなくったって。
あたまかたいのは、自分の方だった。
いつだって、素直が正だと思っていたけれど、
本当のことを全部いわなくても
ぜんぜんよかったのか。
と、少し救われた2002年。