女が働くこと。
女が働くには、損なこと、
いや、不利なことがいくつかあって。
わかっているようで、
わかっていなかった。
1度目は、嘘をつかれたとき。
先方が言われた通りに報告し、指示を仰ぎ、
金銭面も絡む最終アポイントのとき。
そんなこと言ってない、
そんなつもりじゃないけど、何か勘違いしていたのかな?
自分はまだやれる、
よろしくねこれからも。頑張っていこうね。
と。
たくさんの人たちの前で、手のひら返し。
ヤラレタ。
小娘だと思われた。
あのとき、
あのとき、私は新人ではなかった。
他に抱えている仕事がいくつもあって、
その合間に取り組んでいた仕事。
ひとは、平気で嘘をつくんだ。
と、知った日。
アポイントが終わり、
沈黙の後、
すみません、と言って、喫茶店のトイレで泣いた。
あのとき、誰もが、
誰が嘘をついていたか知ってる。
知ってるけれど、仕事だから。
それでもうまくやらなければならなかったのが、
私の役目。
うまく立ち回って、こなさなければダメだった。
このビジネスのピラミッドにいるのが誰だかも、
知ってる。
だから、何も言えない。
嫌味の1つも言えず、
ただ、喫茶店のトイレで泣くしかなかったことが、
悔しくて、また泣けた。
あれ以来、
ビジネスで可愛い女にはならない。
と思った。
つづく。